SECRETARY APP PROJECT 2026

秘書アプリ開発
Webアプリ開発の基礎知識

フォルダ構成・秘密情報の管理・ビルド/デプロイの仕組みを、専門用語を覚えずにざっくり理解する

対象:会社HP制作を終えて、アプリ開発に進む方 / 新しいカテゴリの第1回

はじめに

これまでのHP制作は、HTML・CSSの数枚のファイルを並べれば完成する、いわば「静止画」でした。今回から始まる秘書アプリ開発は、ユーザーの操作に応じてデータを処理したり、外部のAIサービスとやり取りしたりする「動くしくみ」を作る作業になります。

「動くしくみ」を作るには、HP制作にはなかった考え方がいくつか登場します。とはいえ、身構える必要はありません。今回はその中でも特につまずきやすい3つのポイントだけを、専門用語を覚えなくても迷わないレベルでざっくり押さえておきます。

1フォルダ・ファイルの全体像
アプリのプロジェクトフォルダには、どんな種類のファイルが・なぜ増えていくのかを俯瞰します。
2秘密情報の安全な管理
APIキーなど「他人に見せてはいけない情報」を、事故なく扱うための2つのファイルを知ります。
3ビルド・デプロイ・ローカルサーバー
作ったファイルが、手元で試せる状態→みんなが使える状態になるまでの流れをつかみます。
1

アプリ開発を構成するフォルダ・ファイルの全体像

プロジェクトフォルダとは

HP制作では index.htmlstyle.css くらいのシンプルな構成でしたが、「秘書アプリ」のような動くアプリを作る場合は、1つのプロジェクトフォルダの中にたくさんの種類のファイルが自動的に作られていきます。

💡
全部のファイルを覚える必要はありません

ファイルの数が増えても、どのファイルが何のためにあるかを一つずつ暗記する必要はありません。まずは「どんな種類のファイルがあるのか」の全体像だけをつかめば十分です。

ウェブ制作と同じファイル

秘書アプリの画面部分は、これまでのHP制作と同じ3つのファイルが土台になります。役割のおさらいをしておきましょう。

HTML
エイチティーエムエル
HyperText Markup Language
🦴 骨組み・内容
テキスト・画像・ボタンなど「何があるか」を定義します。見た目は整っていなくても、情報の構造を決めるのがHTMLの役割です。
CSS
シーエスエス
Cascading Style Sheets
🎨 デザイン・見た目
色・フォント・レイアウト・余白など「見た目」を整えます。同じHTMLでもCSSが変わると、まったく別のデザインになります。
JS
ジェイエス
JavaScript
⚡ 動き・インタラクション
ボタン押下の反応・秘書アプリとのやり取りなど「動き」を担当します。秘書アプリの操作性はここで決まります。

アプリ開発で増える複雑なファイル

秘書アプリのプロジェクトフォルダには、この3つの土台に加えて、TypeScript・Python など普段見慣れない拡張子のファイルもどんどん増えていきます。

TS
ティーエス
main.ts / TypeScript
🛡 型による安全性
JavaScriptに「型」という制約を加え、間違いに気づきやすくした言語です。規模の大きいアプリほどよく使われます。
PY
パイソン
app.py / Python
🐍 裏側の処理
サーバー側で動くプログラムを書く言語の一つ。AIとのやり取りやデータ処理を得意とします。
PHP
ピーエイチピー
index.php
🌐 サーバー側の定番
古くから使われるサーバー側の言語。会員サイトやお問い合わせフォームなどでもよく使われます。
ほか多数
➕ この他にも多数
アプリの種類や機能によって、ここに挙げていない言語・設定ファイルも次々に登場します。
💡
これはほんの一例です

アプリ開発では HTML・CSS・JS だけでなく、TypeScript・Python など、他にも多種多様で大量のファイルが自動的に作成されます。一つずつ覚えなくてOK。必要なファイルは Claude Code が用意してくれます。

拡張子 早見表

この章で出てきた拡張子を、ここで一度まとめて振り返っておきましょう。

.html
エイチティーエムエル
画面に何を表示するかの骨組み
.css
シーエスエス
色・余白・配置などの見た目
.js
ジェイエス
ボタンを押したら動く、などの仕組み
.ts
ティーエス
JavaScriptをより厳密に書けるようにした言語
.py
パイソン
裏側(サーバー側)の処理を書く言語の一つ
.php
ピーエイチピー
古くから使われるサーバー側の言語
.json
ジェイソン
設定やデータをメモしておく形式
むずかしい設定や名前は、覚えなくて大丈夫。

ファイルが増えても Claude Code にお任せできます。「このファイルは何?」と聞けば、そのつど日本語でやさしく説明してもらえます。

2

外部に漏洩してはならない情報を安全に管理する方法

なぜ情報管理が重要なのか

秘書アプリを作るときは、AIサービスに接続するための「APIキー」や、ログイン用の「パスワード」など、他人に知られてはいけない情報を扱う場面が出てきます。これらをうっかりインターネット上に公開してしまうと、第三者に悪用されたり、高額な利用料金が発生したりする危険があります。

⚠️
APIキーは「合言葉」だと考えてください

APIキーはサービスを使うための合言葉のようなものです。他人に見られると、あなたに成りすまして勝手にサービスを使われてしまいます。パスワードと同じくらい大切に扱いましょう。

この「秘密の情報」を安全に扱うために、アプリ開発では次の2つのファイルを使い分けます。

.env — 秘密の情報をしまうファイル

🔑
.env秘密の情報をしまう

APIキー(サービスを使うための"合言葉")やパスワード・認証情報などの"秘密の情報"を入れておく専用のファイルです。プログラムの本体とは分けて、まとめて安全に管理します。

APIキー / パスワード

.gitignore — 見せないものを指定するファイル

🚫
.gitignore見せないものを指定

GitHub などでコードを共有・公開するときに、外部に見せたくないファイル(.env など)や、管理しなくてよいファイルを"対象から外す"よう指定するファイルです。

.env を公開しない

2つを組み合わせると、次のように「秘密の情報だけがGitHubなどの公開先に含まれない」仕組みができあがります。

📁
プロジェクトフォルダ
.env を含む
すべてのファイル
🚫
.gitignore が仕分け
.env だけを
対象から除外する
GitHub などの公開先
秘密の情報は
含まれない
💡
どちらか一方だけでは守れません

.env.gitignore は必ずセットで使うファイルです。Claude Code に「秘書アプリを作って」と頼めば、この2つのファイルも基本的に自動で用意してくれます。

もし誤って公開してしまったら

1
あわてず、まずそのAPIキーを無効化する

キーを発行したサービス(例:Anthropic Console など)の管理画面から、該当のキーを削除・再発行します。

2
新しいキーを発行し直し、.env に入れ直す

古いキーは無効になっているので安全です。新しいキーで .env を作り直します。

3
Claude Code に「.gitignore を確認して」と頼む

今後同じミスをしないよう、.env が正しく除外設定されているか確認してもらいましょう。

3

アプリのビルド・デプロイ・ローカルサーバーの仕組み

全体の流れ

アプリ開発では「たくさんのファイル」が、いくつかの工程を経て、実際に動く「1つのアプリ」になります。まずは全体の流れをイメージでつかみましょう。

📁
たくさんのファイル
HTML・CSS・JS・TS など
📦
ビルド
バラバラのファイルを
組み立てて1つのアプリにする
アプリが完成
動かせる状態になる
🚀
デプロイ
完成したアプリを
サーバーにアップロードする
💻
ローカルサーバーで起動
自分のPCの中に作る、
動かす場所で起動する
公開時は"ウェブサーバー"

ビルドとは何か

「ビルド」とは、人間が読み書きしやすい形で書かれたたくさんのファイルを、コンピューターが効率よく実行できる1つのまとまり(アプリ)に組み立てる作業のことです。工場の組み立てラインをイメージするとわかりやすいです。

🧩
バラバラのファイル
このままでは
組み合わせが読み取れない
⚙️
ビルド(組み立てライン)
npm run build など
コマンド1つで自動実行
📦
1つのアプリ
すぐに動かせる
状態になる
📌
ビルドはコマンド1つで実行される

実際には npm run build のようなコマンドを1回打つだけで、この組み立て作業はすべて自動で行われます。中身の仕組みを理解する必要はなく、「アプリを完成させるための儀式」くらいの認識で大丈夫です。

デプロイとは何か

「デプロイ」とは、完成したアプリを、自分のパソコンの外にあるサーバー(インターネット上のコンピューター)にアップロードして、使える状態にする作業のことです。第5回のHP公開で行った Cloudflare Pages へのアップロードも、デプロイの一種です。

💻
自分のパソコンの中
完成したアプリは
まだ自分しか見られない
🚀
デプロイ(アップロード)
サーバーに
アプリを送り込む
🌐
インターネット上のサーバー
URLを知っている
誰もが使える

ローカルサーバーとは何か

デプロイの前に、まず自分のパソコンの中だけでアプリを動かして動作確認をします。この「自分のPCの中に作る、練習用の動かす場所」のことをローカルサーバーと呼びます。

🔒
ローカルサーバー動く場所:自分のPCの中

自分のパソコンの中だけで動く、お試し用の場所です。インターネットにはつながっていないので、あなた以外は誰も見ることができません。

自分だけが見られる
🌐
ウェブサーバー動く場所:インターネット上

デプロイ先としてインターネットに公開されたサーバーです。URLを知っている人なら、世界中の誰でもアクセスできます。

URLを知る全員が見られる
ローカルサーバーで動いても、まだ他人には見えません

ローカルサーバーで「動いた!」と喜んでも、それはまだ自分のパソコンの中だけの話です。他の人に使ってもらうには、デプロイしてウェブサーバーに置く必要があります。

アプリ開発の全体地図が見えました。
ファイルの種類・秘密情報の守り方・ビルド〜デプロイの流れ、この3つの「地図」さえ頭にあれば迷いません。細かい設定は、そのつど Claude Code に日本語で聞きながら進めましょう。

この章の確認チェックリスト

プロジェクトフォルダの中に多種多様なファイルが増えていく理由を理解した
.env が秘密の情報をしまうファイルだと理解した
.gitignore が公開範囲を指定するファイルだと理解した
ビルド・デプロイ・ローカルサーバーの違いを説明できる